憧れの島

竹富島は憧れの島だった。高校生か、大学生になったばかりぐらいの年に見た携帯会社のCMで見た島がこの世のものとは思えないくらい美しくて、インターネットでなんという島なのか?日本のどこにあるのか?すぐに検索した覚えがある。もはやどんなCMであったのかも忘れてしまったのだが(たぶんこのCM?【CM 2003】KDDI ムービーau 30秒×2 - YouTube)、竹富島という美しい島にいつか行ってみたいという気持ちはずっとあった。

 

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その後大学生になってから、数回、社会人になってからも数回、沖縄には行く機会があった。一人で出向いたことも、家族や友人や恋人とでかけたこともあった。けれど、竹富島に行ったことはなかった。

 

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たまたま、お金や時間が足りなかったということもあるのかもしれない。けれど、 10回近く沖縄に行く機会があったのに、一度も憧れの島に行ったことがないというのはそれだけでは説明がつかないように思う。

 

行こうと思えばいつでも行けたような気もする。その間に石垣島には新空港ができ、八重山諸島は空前の観光バブルに湧いていた。石垣島も、竹富島も以前のように美しい島ではなくなってしまった「らしい」。そういう噂を聞く度に、もっと早く行っておけばよかったと後悔をした。

 

きっと俺は自分のイメージの中にある美しくて完璧な竹富島を壊したくなかったのだと思う。理想とは違う竹富島を見るのが怖かったのだ。

 

けれど、少し年をとって鈍くなったせいなのだろうか、ふと行ってみようかなと思ったのだ。本当にそれは、思いつきのような気持ちだった。

 

実際に行ってみて、竹富島は噂とは違い美しい島のままだった。天気にも恵まれ、空はどこまでも青く、海は透き通っていた。全てが俺が想像していたとおり完璧だった。

 

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ただ、俺は竹富島よりも美しい海も、美しい景色も既に経験をしていた。
そのことを残念だとは思わなかった。そんな、景色に巡り会えていた自身の幸運を喜ばしく思った。

 

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自分の想像力なんて大したことないなと笑ってしまいそうになった。

また竹富島に行こう。今度は大事な人達と。

 

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